自筆証書遺言

自筆証書遺言は、文字通り自筆で書く遺言書ですが、法律で定める方式に満たない場合には、遺言書が無効となってしまいますので、定められた法律を十分に理解し作成する必要があります。

自筆証書遺言の法的用件

遺言書の全文、日付を自書し署名押印することです。(財産目録などは、パソコンで作成することが認められています)

遺言書が無効となる場合

  • 遺言書全文が自分で書く必要がありますので、、財産目録以外をパソコンやワープロで作成したり、他人に代筆してもらった場合。
  • 日付が特定できない場合(令和5年10月吉日は無効となります。)
  • 署名が無い場合や二人以上の署名がある場合。(夫婦連名での遺言書は作成できません)
  • 押印が無い場合。(実印の必要がありませんので、認印で大丈夫ですが、本人が書いたことの確証に実印を押印される方もいらっしゃいます。)
  • 加筆や修正の仕方が間違っている場合。
  • 相続の内容が公序良俗に反する場合。
  • 遺言者が正常な意思で書かれたものか、疑わしい場合。

作成時の注意事項

  • 人物は明確に特定します。名前は戸籍謄本通りに略さないで、続柄や生年月日も記入します。
  • 財産を特定します。土地建物の不動産は、全部事項証明書の記載通りに記載する必要がありますので、土地と建物は別々に記載します。
  • 日付は実際に書いた日付を記入しましょう。
  • 最後に、証明押印を忘れずに行います。印鑑は認印でも大丈夫です。

記載例

自筆証書遺言のメリット・デメリット

メリット

  • 手軽にいつでも、思いついたとき、時間が空いた時に作成できます。
  • 費用がかからない。
  • 遺言書を法務局で預かってもらえるサービス(費用発生)がある。

デメリット

  • 全文を間違わずに、手書きすることが大変です。
  • 法的要件を満たさず、無効となる場合がある。
  • 遺言書が発見されない。または、紛失してしまう可能性がある。
  • 発見されても、隠蔽・破棄・変造される可能性がある。
  • 家庭裁判所の検認が必要となる。